私は、なぜ、走れなくなったの。
自分でもわからない…

怖くなったの…走ることが。

そう思いながら歩いてると…

「藤野ちゃんー」

うん？？この呼び方は…

「野上さん！！」

そう、この人は別な大学で、陸上やっている大学生一年の野上歩夢さん。傑ととっても仲良くて、私ともよく仲良くしてくださる。とってもいい人。

「どうした。後ろ姿泣いてたぞ（笑）」
「野上さん、わたしの、背中はいつも泣いてるように見えますか？」
「そんな、今日はそんな風に見えただけだよ。どうした？なんかあったか？」

そう、野上さんはわたしの、頭をポンポンたたいた。

野上さんはいつも、優しい。

「私は、走ることから逃げたんですか。私は、どうして走れなくなったんですかね…」

そう、私は呟いた。

「藤野ちゃんのあの陸上好きは驚いたしさ。でも、今は少しだけそのパワー使い過ぎたんだよ。」

そう言って、野上さんは私の頬を引っ張った。
「痛い一」

野上さんはくすって笑ったように、
「そうそう、藤野ちゃんは笑顔が一番だよ。大丈夫、また、笑える日は来るから。」

そう言って、野上さんは笑っていた。

笑える日は、私に来るのかなぁ…

私の心は、いつになれば晴天になるのだろうか。