「じゃぁ、誰?」


「佐藤さん、って言ってね。私がずっと会いたかった人」



そして私は佐藤さんと再会してからのことを、全て美帆に話した。



もちろん、壱斗のことも……







「そっか…姫乃はいいの?それで、……王子が遠くなるばかりだよ?」



でも、どうしたらいいかわかんない……




「壱斗のこと考えたら苦しいから…あんまり考えたくないの」


苦笑いすると、美帆は驚いたような顔をしてた。



「それって……」



「ん?」



「え?あ、ううん…」



「とりあえず、今日は佐藤さんと映画行くよ」



「そっか、……後悔、しないでね?」



「?うん…」




美帆はすごく心配そうに見ていたけれど


私は気にしないようにして教室を出た。











もう夏だなぁ……



野球部のいつもより熱のこもった練習も


水浴びをして遊んでるサッカー部も


夏って感じで素敵だー……








「姫乃?」


「へ?あ、壱斗…」



今、会いたくなかったな…



部活の途中なのか、道着を身にまとっている(実は壱斗は剣道部)



なんでこんなにカッコいいんだろう。



*