「優...あなたは、いつか夜空に輝く月に なりなさい。」
そう言われたのは、小学二年生の時だった。
母が亡くなったあの日の記憶は、嫌ほど覚えてる。
忘れたくても、忘れてはいけないような気がして。
あの日からずっと、大切に頭の宝石箱に、しまっている。
麻宮 優と名付けられた私は、今まで十二年間生きてきたけど、いつも無愛想と言われ続けてきた。
そんなこと、自分でも分かってる。
でも、昔からそうだった。
私が笑わない理由....
それは....
笑ったら負けだから。
誰に教えられたわけじゃない。
いつからか、笑わない人になっていた。
どうして、おもしろくもないのに笑うの?
笑顔を振りまいとけば、みんな幸せになれるの?
そう、いつも思っていた。