何分経っただろうか…
ずっとキスをされている私
そろそろ意識が朦朧としてきた
それが分かったのか、銀色の糸を引きながら憐の唇は離れて行った
流「……はぁ、はぁ」
憐「悪りぃ止まらなかった」
激しすぎるキスのせいで歩けないだろう私を支えながら言った
流「はぁ、はぁ……ど、したの」
私が途切れ途切れで聞くと、憐の顔が歪む
憐「お前が…嫌いって言ったから…」
悲しそうに言う憐に、言い過ぎたなと反省する
流「ごめんね。言い過ぎた。憐のこと好きだよ。誰よりも」
憐「…っ」
わたしが好きだと言っても悲しそうに顔を歪める
本当に言い過ぎた。
憐は「嫌い」って言葉に1番傷つくことを分かってたのに…
流「憐?嫌いなんてありえないよ?
ごめんね。本当に…
大好きだよ。愛してる」
私がここまで気持ちを伝えるのはとても珍しい
いつもあまり言葉にしないからね
「愛してる」と言った言葉に反応した憐
それを私は見逃さない
反応した瞬間にぎゅっと抱きしめた
流「本当にごめんね。愛してる」
憐に抱きつきながら耳元で囁く
すると、ぎゅっと憐も抱きしめ返してきた
それから数十分
私たちはずっと抱き合っていた
流「ん…憐?」
憐「ん?」
流「そろそろお風呂入らなきゃ」
憐から離れながら言う
憐「俺も…か?」
さっきのケンカ?でトラウマになったのか、少し弱い声で言われる
流「ん、憐もだよ」
憐の顔を見ながら言うと安心したような顔になった
そして、やっとお風呂に入れた
次の日
今日は拍龍の倉庫に鬼獣が攻めてくる
だから今日はお留守番。
流「れーん。」
憐「ん?」
流「あのね。お留守番って暇でしょ?」
憐「あぁ」
流「だからね。お買い物行ってきてもいい?」
暇になるからと思いついたこと。
私は友達が居ないからもちろん一人で行くけどね。
憐「ダメだ」
流「どうして。ヤダ。行くもん」
何故かダメだと言われむっとする
ぷくーっと頬を膨らませ怒る
憐「っそんな可愛い顔しても無駄だ。襲われたらどーすんだ。」
流「襲われないもん」
憐「あ?んなのわかんねぇだろ。
それに、俺と一緒にいないと男に絡まれた時助けられねぇ」
…確かにと思ったり…
でも、行きたいものは行きたい。
流「…そうだけど…行きたいもん。
暇なの嫌だもん」
自分がわがままを言ってる事ぐらい分かってるし、憐に迷惑をかけてることもわかってる
憐「はぁ。流夢、なら倉庫に来い」
流「え?いいの?」
思わぬことを言われびっくりする
憐「あぁ、1人で買い物に行かせるぐらいなら倉庫にいさす。」
そう言ってくれたので、わたしも倉庫にいくことになった
倉庫に着き、いつものところへ向かう
ガチャ
ドアを開けるともうみんなは揃っていた
春「あれ?流夢ちゃんだ〜」
春がそう言って私に抱きつこうとしたのを憐が止める
うん。本当は私も抱きしめたかったけど憐の機嫌が悪くなると、ね…
流「おはよう、みんな」
颯太「おう!ってゆうかなんで流夢がいんだ?」
憐「連れてきた」
はぁ、憐。説明が適当すぎだよ?
流「あのね。私が、留守番ゎ暇だからお買い物に行くって言ったらダメだって憐が言ったの。だけど、諦めきれなくておねだりしたら、お買い物行くぐらいなら倉庫に来いって言ってくれたからきたの」
わたしが丁寧に颯太を見て説明した
憐「おい、俺以外見てんじゃねぇ
しゃべんな」
流「もうっ、憐が適当に説明するから教えてあげたんでしょ?」
憐の独占欲発言に反論するも、とても喜んでいる私がいたり。
憐の独占欲発言が嬉しくてニヤけていると、何故かみんなが引いている
流「なに?」
颯太「お前らってさ、異常だよな」
なんのためらいもなく言う颯太にムッとする
流「どこが異常なのよ」
颯太「いや、だってさ。憐の独占欲は異常だし、それに喜んでる流夢も異常だろ?」
流「そうかなー。もしこれが異常だったとしても私はまだまだ足りないかな」
颯太にそう告げるとギョッという顔をされた
颯太「え、嘘だろ?それで足りねぇとかありえねぇー。」
あり得ないと言う颯太に言い返そうとしたとき
憐「俺以外としゃべんなっつってんだろ」
またまた憐のお怒りの声
拗ねる憐の頭をなでてあやまる
そして、今だに引いているみんなを置いておいていつものソファーに座った
憐はいつものように私の首筋に顔をうずめる
そんな憐の頭をナデナデ
うん。ほんと可愛い
流「憐?首に顔をうずめるのはいいけど、匂い嗅ぐのやめて。」
さっきから思いっきり私の首の匂いを嗅ぐ憐に指摘する
憐「無理。お前めっちゃいい匂いする」
流「えーうそ。何もつけてないよ?」
憐「でも、お前の匂い甘ぇ」
そう言ってまたまた匂いを嗅ぐ憐
こうなったらもう何を言っても聞かないからほっとこう
そうしてまだ引いているみんなを眺めながら憐の頭を撫でていた
しばらくしてはっとしたのか、みんながこちらの世界に戻ってきた
流夢「やっと戻ってきたね。おかえり」
「「「ただいま」」」
春「じゃなくて!」
春がいいツッコミをしてくれた。
春「なにラブラブしてるの」
私たちをジトーと見ながら春が言う
流「だって、みんなあっちの世界に行ってたし…ね憐?」
憐に同意を求める
憐「あぁ」
うん。憐なら同意してくれると思ってたよ
颯「あ!そんなこと言ってる場合にもう直ぐで鬼獣が攻めてくる時間ですね」
颯の声で、今日鬼獣が攻めてくることを思い出した
忘れてたよね。はい
憐「そーだったな」
完全に憐も忘れてたみたい
数分、そんなことをみんなと喋っていた
ガーンッ
みんなと喋っていたとき、伯龍の倉庫のドアが蹴られた
春「きたみたいだね」
春がそう言ったけど、誰も動く気配がしない
流「みんな、いかないの?」
ニタニタ笑っているみんなを引き気味で見ながら聞いた
竜「あいつらばかか。そんなんで俺らの倉庫のドアがあくわけないでしょ」
竜がそうゆうのもそのはず。
最初にドアが蹴られてからもう5分も経ってる
颯太「そろそろ開けてやれよ」
颯太が面白そうに言う
颯「そうですね…おーいお前ら開けてやれ」
下で笑っている下っ端くんたちに言う
なにがそこまで面白いのかわからないけど、下っ端くんたちは肩を上下に揺らしながら震える声で「はい」と言うと倉庫のドアを開けた
鬼「うおっ!」
下っ端くんがドアを開けたと同時に、今まで蹴っていたであろう男の子たちが一気に倒れてきた。
多分、蹴ろうと思って足を振ったとたんに開けちゃったんだよね…
鬼「んだよっ!いきなり開けんなよ!
んで、笑うなー!」
倒れたことがよっぽど恥ずかしかったのか、鬼獣の下っ端くんは顔を真っ赤にして怒っている
それを伯龍のみんなはギャハハと笑い、鬼獣のみんなは我慢しているつもりなのか、肩を震わせている
颯太「ばかだろー!クハハ」
そんなにツボったのかあれから数分経っているのにみんなはまだ笑っている
憐は…私の首筋に顔をうずめている
さっき怒っていた鬼獣の下っ端くんは、いつまでも笑っているみんなに、何を言っても仕方ないと分かったのかみんなが笑い終わるのを待っている