「なぁ悪かったって。機嫌直せよ」
そんなこと言ったって許してあげないんだから
今日は倉庫に行く日
なのに!朝から憐に抱かれて、その上5回もされたんだから!
そのおかげで腰は痛いし立つのもやっと
もう!最悪じゃん
「流夢、もう朝からはしねぇ…多分」
「多分?」
「わぁーたよ。朝からはしねぇようにするから、な?」
ウルウルした目で訴えられる
や、やめてよ…そんな目で見られたら
「分かった。」
許しちゃうじゃん!
「朝できねぇんだから夜覚えとけよ
抱き潰してやる」
ニヤーと悪そうな笑みを浮かべ言われた
「あはは…」
私は笑って誤魔化すしかなかった
しばらくして、倉庫に着いた
「「総長、流夢さんこんちわっす!」」
ヤンキーくんたちは挨拶をしてくれる
まぁ、憐はそれをスルーなんだけどね
私はもちろん「こんにちは」ってニコッと笑いながら言うけどね
私が挨拶したとたんみんなの顔が赤く…
「ねぇねぇ、憐」
「ん?」
「みんな顔赤くなったよ!風邪はやってるんじゃない?」
私がそう言うとなぜか憐の機嫌が悪くなり、ヤンキーくんたちに舌打ち
憐の舌打ちを受けたヤンキーくんたちは顔を青くしている
さっきまで赤かったのにね
「流夢、あいつらのこと見てんじゃねぇ。」
私がジーっと見ていると憐に怒られた
「ごめん」
そしてなぜか謝る私
なんで怒ってるのかも分からないし…
まぁ、ここはそっとしておいたほうがいいよね
前、来た時に入った部屋に入る
ここ、幹部室ってゆうんだって
幹部以上の人しかはいれないらしい
ガチャ
「おー憐久しぶり。あ、流夢も来たのか。久しぶりだな」
颯太が言った
「うん。久しぶり」
「なんか憐、機嫌悪くない?」
春くんが言った
そうだよねー。なんかまだ機嫌戻らないんだよね
「流夢さん。何かありましたか?」
颯に言われて考える…
「うーん。特にないけど、機嫌が悪くなったのは、私が下のヤンキーくんたちに挨拶したら顔が赤くなったから、風邪かな?と思って憐に言ったときかな」
私がそう言うと納得したようにみんなが頷く
「それですね。」
「それだな」
「それだね」
「…。」
なにがそれなのかは分からないけどまぁいいや
グイッ
幹部のみんなと喋っていると後ろから誰かが引っ張った
「わぁっ!」
こけそうになり後ろに倒れると誰かが私を抱きしめた
「他の男と喋ってんじゃねーよ」
私を引っ張った犯人は憐でした
「ごめんね。分かった」
「俺を放置すんなよ」
「ごめんごめん。」
私の目が憐しかうつさなくなり満足したのか私の手を引き、憐専用のソファーに座る
当たり前のように憐は私を足の間に座らせ、後ろからギュッと抱きしめた
「あーぁ、らぶらぶしちゃってー」
颯太がちゃかす
「流夢ちゃんと憐は付き合ってるのー?」
その質問を春くんがした瞬間、みんなが私をバッとみた
憐は興味なさそうにわたしの髪の毛を指に巻きつけたりして遊んでる
「うん。付き合ってるよ」
私がそう言うとみんなは「だよねー」とか言っていた
知ってるなら、初めから聞くなよって思うんだけど…
それからしばらくして憐は颯となにか調べものへ、春と颯太は下にバイクをいじりに行った
うん。すごく気まずいかな
だって竜と2人っきりなんだもん
どちらも何も喋らない…
「あの、」
思い切って喋りかけて見た
うわぁー「なんだよ。喋りかけてくんな女のくせに」って目が言ってるー
「あのさ、竜が女を嫌いなのは分かるけど、私をそこらへんの女と一緒にしないでね。」
私がそう言うと竜は驚いたように目を見開いた
「なんで、俺が女嫌いって分かったんだ」
竜が喋った!
「だって、あからさまに私がこの部屋入ってきたとき嫌そうな顔するでしょ」
「そうか」
すると竜は言った
「なぁ、俺の過去聞いてくれるか?」
正直びっくりしたけど…
「うん。話してくれるなら」
聞くことにした
竜side
俺は前から女が嫌いなわけじゃなかったんだ
だって俺にはちゃんと彼女がいた
その彼女の名前は赤石 花
俺の周りには俺の顔で寄ってくる女ばかりだった
だから花も一緒だと思ってた
けど、違ったんだ
俺はその時荒れていた
喧嘩やタバコ、女に明け暮れていた
そんな時、花に出会った
最初はこいつも俺の顔だろうと思ってた
でも、花をどんなに突き放そうが、どんなにひどいことを言おうが、花は俺のそばに居てくれたんだ
いつの間にか花のことが好きになっていた
だから花に告白したんだ
そしたら花も俺の事が好きだって言ってくれた
それで付き合った
それからは俺と花は仲良しで有名なカップルになった
そんな日が続くと思ってた
だけど…
ある日俺はいつも一緒に帰っている花を待ってたんだ
だけど、花はいつもよりくるのが遅くて…
心配になった俺は花を探しに行ったんだ
だけど、どんなに探しても花はいなかった
電話も、メールもした
なのに返事は返ってこなくて…
もしかしたら、先に帰ったのかもと思って一応見に行くことにした
花は1人暮らしだから、心配だし
花の家に着いてチャイムを押そうとしたところに花が誰かと喋ってる声が聞こえたんだ
気になって聞くしことにした
「うん!完璧だよぉー」
最初は何の話かわからなかった
でも、ずっと聞いているに連れて…
「え?うん、竜も思い込んでるよ♪」
俺の名前が出てきた
「えーいやいや、ないでしょ
翔が付き合って情報集めろって言ったんじゃーん。じゃないとあんなやつと付き合わないよー
私には翔だけだよ?♡」
俺は固まったよ
まさか、花にそんなこと言われてるとは思わなくて。
花は違うと思ってた。
だけど所詮その辺の女と一緒だったんだ
次の日花に問い詰めた
そしたらあいつ言ったんだ
「あーぁばれちゃった?
じゃあもう竜には用無しだー
翔に言ってご褒美もらわなきゃ」
ってな
「ご褒美ってなんだ」
「え?ご褒美?
そんなの決まってるじゃん♪
体だよ、か、ら、だ♡」
ありえねぇだろ?
仮にもまだ彼氏だったんだ
なのに花はそんなことを普通に言った
虫酸がはしったよ
その時からだ
女はみんなそんなやつで、どうせ俺の中身なんか見てねぇって思うようになったのは
竜の過去は思ってた以上に過酷だった
「そう…」
「お前も、ゆうのか?かわいそうだなって」
「?そんなこと言わないよ。言ってほしい?」
竜は首を横に振る
「でしょ?少なくとも私は言って欲しいとは思わないし、可哀想だなんてわたしには分からない。竜みたいな思いをしたことはないからね。でも、これだけは言えるよ?」
竜は首を傾げてこちらを見た
「泣きたいなら泣けばいい。
私の胸貸してあげるよ?」
竜の隣に行き頭を撫でながら言った
ガバッ
竜はいきなり抱きついてきて泣いた
「我慢しなくていいんだよ?
泣きたいときは思いっきり泣かなきゃ」
声を我慢してることが分かってたから竜に言うと竜は声をあげて泣いた
竜が泣き止むまでわたしはずっと竜の頭を撫でていた