眩しい光に目が覚めた
ここ…どこ?
しばらくぼーっとしていると
ガラガラ
「流夢⁈起きたのか!」
憐が入ってきた
「憐…」
憐は近づいてくると私を力いっぱい抱きしめた
「…れ、ん…ぐる"じい"ー」
憐は力加減なく抱きしめてくるので苦しくて仕方が無い
骨が砕けそうだし…痛い。
いくら苦しいと言っても離してくれない憐
「どーしたの?」
「まじ心配した…」
「てかここどこ?なんでここにいるの?」
憐は抱きしめたまま話してくれた
「ここは俺の家だ。で、お前がここにいるのは公園でお前を見つけたら倒れたんだ。だから連れてきた」
らしい…
「なぁ、どうしてあんな時間にあんなところにいたんだ?」
憐は悲しく瞳を揺らし私に聞く
「…ぃゃ。」
私は小さくそう吐き言わんとばかりに首を振る
そんな私を憐はなだめるように頭を撫で言った
「大丈夫。どんな闇でもお前を救ってやる。」
力強く私を見るその目を見て、私は初めてこの人なら信じれると思った
「軽蔑しても知らないよ?」
そう言って私は全てを話した
お母さんのこと、あいつに殴られること、最近根性焼きもされること。
全てを話し終え憐を見る
「ごめんな。もっとはやく気づいてあげればよかった」
憐は私を軽蔑することもなく、そう言ってくれたんだ
それからすぐ、お医者さんが来て根性焼きをされたところを消毒し、殴られたところに湿布を貼ってくれた
私を手当てしてくれたその人はなんと拍龍の二代目総長だった
あ、ちなみに憐は三代目総長だよ
「おいおっさん、おせぇぞ
あんま流夢にさわんじゃねぇ」
よく二代目総長さんにそんなこと言えるよね
「なんだなんだ、そーゆうことか
ガキのくせに一丁前に嫉妬してんなよ」
二代目総長さんは総長で意味のわからないこと言うし
「あの…ありがとうございました」
憐と二代目総長さんが言いあっていたのでそれを止めたくてお礼を言った
「いやいや、いいんだよ
流夢ちゃんだったね?」
「はい」
さっきまでヘラヘラしていた二代目総長さんが真剣な顔つきになり言った
「流夢ちゃん、もうちょっと遅かったら危なかったよ。」
でも今度は優しい顔つきになり私に近づき耳元で憐に聞こえないように言った
「でももう安心だね。そこにいるガキに助けてもらいなさい。あいつなら助けてくれるかならず…」
そう言った二代目総長さんは憐をみて微笑んだ
「おい!おっさんのくせに流夢に近づくんじゃねぇっていってんだろ。このロリコン男」
憐は意味のわからないことを言っているけど…
「じゃあ俺はそろそろ帰るね」
二代目総長さんは憐を無視し、私にそう言うと 「チュッ」おでこにキスをして帰って行った
二代目総長さんが帰ってすぐに憐は何故か機嫌が悪く、二代目総長さんにキスされたところをひたすらこすっていた
「憐…痛い」
「お前がキスされるからだろ。ふざけんな」
と何故か逆ギレされる始末
「なんで憐、おこってんの?」
「怒ってねぇ」
「怒ってる」
「怒ってねぇ」
絶対怒ってるくせに、怒ってねぇを連発する憐
「もう知らない。勝手に怒っとけっ」
腹が立った私は憐にそう告げると、こすられていた手を払い憐に背を向けた
「流夢」
「……」
「流夢、悪かった。」
「知らない」
謝られても許してあげない…
「ムカついたんだよ。流夢があいつにキスされてっから」
こともない
そんな可愛いこと言われたら許すに決まってるじゃん
「ムカついたって…怒ってたんじゃん
嘘つき。」
「ん、怒ってた。」
「ばか、あほ、嘘つき」
「ん。なんか流夢性格変わってねぇ?」
「悪い?」
「いや、悪くねぇ」
そう言って私に近づいてきたと思ったらいきなり抱きしめられ…
「すげぇ可愛い」
…と耳元で吐かれた
ボンッ
と音が出そうな勢いで赤くなる私の顔
「流夢?どうした、顔赤いぞ」
いやいや、憐のせいでしょ
とは言えず…
「そう?気のせい気のせい」
とはぐらかしておいた
「ねぇ、私帰るね」
しばらく経ちそろそろ帰ろうと思い憐に言った
まぁ、家出てきたんだしかえるところはないけどね…
「あ"?ざけんな。どこにかえるっつんだ。」
「…いや、何処かホテルに…?」
またいきなり怒り出した憐に戸惑いながらも答える
「あ"ぁ"??」
いやいや、そんなに怒らなくても…
「んなの、だめに決まってんだろ
流夢はここに住め」
………は?
いや、ちょとまって、ここ憐の家だよね?
「ダメダメ!憐の家でしょ?!」
「あぁ、あたりめぇだ」
憐は涼しい顔をして答える
「憐に迷惑かけるわけにはいかない
だから、ダメ。どっかホテルでいい」
冷静に答える私
「迷惑のわけねぇだろ?ここに住め」
しばらく言い合いしてた私たち。
結局私が折れて住ましてもらうことになった
「ここが流夢の部屋」
そう言って連れて来られたのは、何故か生活感のある部屋
「え、なんか生活感あるね…」
「あ?当たり前だろ、ここ俺の部屋でもあんだから」
…………え?いやいや、今の聞き間違えだよね?
わたしがフリーズしていると…
「流夢?おい、戻ってこい」
私の顔の前で手をパタパタとふる憐
「ちょっとまって、この部屋憐も使ってるって言った?」
私がそう言うと不思議そうに首を傾げて
「あぁ、言った」
と普通の顔をして言った。
「はぁー?ダメでしょ!一緒はまずいでしょ!ダメダメ」
わたしが全否定するとムッとした顔になる憐
「なんでだ。俺は一緒がいい」
なんとも可愛い顔で言われた
「…っだ、だめ!」
これだけはダメ!譲れない
こんなに可愛い顔をされても無理だよ
私の心臓が持たない
今更なんだけどね…わたし憐が好き
だからドキドキして心臓おかしくなる
「んでだよ。俺は一緒がいいんだ」
「なんでって言われても…」
「理由教えてくれたら考える」
子供みたい…可愛い♡
拗ねた顔をして言う憐
「だって… ……する…ら…」
「ん?」憐は聞こえなかったのかもう一回聞いてくる
「だから!憐といたらドキドキするから!」
顔を真っ赤にして叫んだ
恥ずかしくなってしたを向く
憐は何も喋らない…
不思議に思ったので思い切って顔を上げて見た
ガバッ
は?
顔をあげた瞬間、憐に抱きつかれた
「なぁ、それって俺のこと好きってことか?」
んなこと聞かないでよー!
と思いつつ…
もうここは思い切って言ってみよう
「そ、うだよ。憐が好…んっ!」
憐が好きって言おうとしたらキスされた
「俺も流夢が好き」
そう言って一度離された唇はもう一度触れ合った
それからずっと憐は私を抱きしめたまま
しかも、ずっと「好きだ」とか「すげぇ嬉しい」とかずっと言ってくる
そんなに言われたら照れるんだけど///
「れーん、そろそろ離してよ」
暇になってきた私は憐に言う
「いや、もうちょっと」
…なんか憐、甘くない?可愛い…
「お腹空いたから離して。なんか作る」
そう言うとパッと離してくれた
そんなすんなりと離してくれるとは思わなかった私はちょっとビックリ
憐を見てみると…キラキラした目をこちらに向けて私を見ていた
「な、なに?」
「流夢ご飯作ってくれんだろ?」
「うん。」
「流夢のご飯食える…」
それだったのね。キラキラした目の意味は。
「なにか食べたいものある?」
「流夢が作ってくれるなら何でもいい」
なんとも嬉しいことを言ってくれるじゃないか
ニヤけそうな顔を抑え「わかった。」と言い台所へ向かう
「何がいいかな〜」
私が得意な料理…肉じゃが!
「肉じゃがでいっか…」と決め作る
……………っ出来たー!
完成した料理を机に並べ、憐を呼ぶ
「れーん、出来たよー」
そう叫ぶと二階から降りて来た
「いい匂いする」
「ありがと。肉じゃがにしたけど…食べれる?」
「ん、食べれる」
椅子に座り、手を合わせ
「いただきます」
ど、どうだろう…
何も言わない憐を見ていると、その視線に気づいたのか、憐は
「すげぇうまい」
と褒めてくれた
その言葉に気分が良くなった私
自分が作った肉じゃがを食べる
…いつもより上手くできたかも
それから数分してご飯を食べ終わった私達はのんびりしている
「暇だね」
「ん、暇だな」
とくに話すこともないので、会話はこれで終了
どこかに出かけるのもめんどくさいし。
しばらくすると携帯をいじっていた憐が私の後ろに来て、ギュッと抱きしめられた
「どーしたの?」
「なんか抱きしめたくなった」
「そっか」
また会話終了
「ねぇ、今日は倉庫行かないの?」
なにか話したくて話題を出してみた
「今日は行かねぇ」
「なんで?」
「お前と一緒にいたいから」
ボッと顔が赤くなる
「なぁ、お前は?俺と一緒にいてぇか?」
セクシーボイスで耳で言われまたまた顔が赤くなる私
「わ、私も、一緒にいたいよ?」
私のお腹にまわっている憐の腕をどけ、憐の方に向きながら言った
「っそうか」
珍しく憐の顔がほんのり赤くなった
「ふふっ」
赤くなったのが面白くてつい笑ってしまった
「笑うんじゃねぇ」
ちょっと不機嫌になっちゃった
「ごめんごめん。憐が可愛いくて」
「俺は可愛くねぇ」
そう言うと憐は私の耳に顔を近づけて
「お前は可愛いけどな」と言った
またまたボッと赤くなった私の顔
今日は顔がよく赤くなる日だなー笑
なんて考えていたら、ずっと視線が…
視線がする方へ顔を向けてみると、そこには私を見つめる憐
って、この家には私と憐しかいないんだけどね
「ど、どうしたの?」
「なぁ、キスしてぇ」
……はっ?
「していいか?」
色っぽい目で見られる。
そんな目で見られると嫌とはいえないじゃん
「ぅん…///」
恥ずかしくて小さい声で答えた私
聞こえてるかな?と思ったけど、奴には聞こえてたみたい
嬉しそうに近づいてきて、私の顎を優しく掴み上にあげる
どんどん憐の顔が近づいてくる
それに合わせて私も目を閉じた
「チュッ…」
最初は触れるだけのキス
でも、どんどん激しくなってきて息が出来なくなった私は、酸素を求め口を開ける
それを待ってましたと言わんばかりにすかさず憐の舌がスルッと入ってきた
「んっ! ふぁ、んー ふっ」
口から漏れる声が自分の声じゃないみたいで恥ずかしい
苦しくなって憐の胸を叩く
それに気づいたのか憐はキスをやめた