ずっと貴方と~暴走族と甘い恋~





憐たちが帰った後、私は眠たくなったのでマスターに布団を借りすぐに寝た







ぴよぴよ



と聞こえてくるわけもなく、目が覚めた



今何時だろ…?



8時38分か…もうそろそろ帰っても大丈夫かな



そう思い重たい体を起こし、マスターのところに行った



「あ、流夢ちゃんおはよー」



「おはようございます」



「なにか食べたいものはある?」



「いぇ、朝は食べないので…」



「…そっか」



なんか悪いな…



「あ、あのそろそろ帰ってもいい時間だと思うので帰りますね」



「あ、うん!また来てね」



「はい、お世話になりました」



お礼を言い家に帰った



ガチャ



「ただいま…」



父親に帰ってきたのがバレないように静かに入る



階段を上り自分の部屋へと入った



そのままベッドに倒れこんだ



「あーお風呂入らなきゃ」



昨日入れなかったしね



お風呂セットを持ち風呂場へ向かった…



15分後お風呂から上がり携帯を見ると着信が。



誰だろ?と思い相手を見ると《憐》

え、憐?!



かけ直そうか迷っていると



プルルプルル



《憐》



あっ、憐だ!



「も、もしもし」



『流夢?俺…』



「あ、はい。どうかしましたか?」



『今日あいてっか?』



「あ、今日ですか、空いてますけど…」



『んじゃ、1時ぐらいにお前んち行く』



「は?え、あ、あの…「プープー」



え、切れた…



えーと、遊ぶってことかな?



1時か…まだ時間あるなー



眠たいからちょっと寝よう



お休みなさい







ピピピピ



セットしておいたアラームが鳴る



「憐と遊ぶんだっけ」



独り言を吐きながら用意を始めた



30分後…



かんせーーーい



用意が終わってすぐ、私の電話がなった



「はい」



『俺。もう着く』



憐はそれだけ言い電話を切った



外出ておこう



私はカバンを持ち外に出て憐を待つ



しばらくすると、憐が来た



「わりぃ、お待たせ」



「うん」



「じゃあ、後ろ乗れ」



指定されたのはバイクの後ろ



まじですかーー!



バイクのったことないんですけど…



なにも言わない私を見て、乗れないと勘違いしたのか憐は



「乗れねぇのか?」



といい私の両脇に手をいれバイクに乗せた



「え、え///」



なにするんだぁぁー


照れるじゃん///



密かに顔を赤くして照れていると、憐がこっちを振り向いた



「なに照れてんだよ」



ふっと笑いながら言う憐



誰のせいだと思ってるんだー!



とは言えず



「照れてませんっ!」



否定しておいた



「あ?その顔で照れてねぇとかありえねぇだろ」



バカにされた…



何気にうざいな…



「あーもう!そんなことはいいですから、行きましょう!」



と話をそらしてみる



「あぁそうだな」



憐はそう言うとバイクを発進させた







10分ほどバイクで走ると何処かに泊まった



憐はバイクから降りて私を下ろした



「なっ!///」



また赤くなっている私をみて、ふっと笑い「行くぞ」と言って私の手を握りスタスタと歩く



されるがままに私は着いて行く



「ねぇ憐?」



「あ?」



憐は歩くのをやめ私のほうに振り向く



「ここ…どこ?」



私がそう言うと憐はびっくりした顔をした



何故そんなにびっくりしているのか、私には分からない



「お前、しらねぇの?」



びっくりした顔のまま私に聞く憐



「え、はい。知りません」



私はそんなの知るわけないよみたいな顔をして言う



「そうだよな…お前俺らのこと見たときなんも言わなかったもんな…」



憐はブツブツなにかを言いながら歩き出した







建物の前に着くと、ヤンキーがちらほら



何か喋っていたみたいだけど憐に気づくと「こんちわっす!」と元気よく挨拶



憐は挨拶を無視し



「竜たち来てるか?」



と尋ねた



「はい!来てます!」



「ん、さんきゅ」



憐は返事を聞くと歩き出した



建物の中に入ると私は絶句。



カラフルな頭がいっぱい…



ヤンキーばっかりじゃん!



びっくりしすぎて声も出ない私を憐は引っ張り歩く



憐に気づいたヤンキー君たちが一斉に立ち上がり「こんちわっす!」とさっきのヤンキー君達みたいに元気よく挨拶



また憐は挨拶を無視し歩いていたので、私が頭を下げておいた



そんな私に気づいたヤンキー君達が口々に「おい、総長が女連れてるぞ」と言い出す



そんなに憐が女連れてるの珍しいのか



「おい、ボーッとしてねぇで前みろよ。階段あんぞ」



憐に言われ考えるのをやめ、階段を上って行く



階段を登り終わるとそこには部屋が。



憐は私の手を握りながらその部屋に入った



「お〜憐、やっと来たかー」



そこには前会ったみんなが揃っていた



「あれ?流夢もいんじゃん」



颯太がびっくりしたように言う



「し、しかも手つないでるぅー!!」



と、朝倉君



憐は何を言われても無視し、1つだけあったいかにも高そうなソファーに座る



私どうしよう



と思っていると



「何してんだ?流夢はここだろ」



と憐の足の間を指した



いやいやいや!無理でしょっ



「いや…そこはちょっと…」



と拒否してみる



「あ?お前に拒否権はねぇ」



とわたしの腕を引っ張り座らせた







その様子を見てポカーンんと口があいてるみんな



「おい、てめーら口閉めろ」



と憐が一言



それで我に返ったみんな



「いやいや、嘘でしょ?!俺、幻覚見てるのかな?」と颯太



「僕も見てるんでしょうか?」と波間君



「えー僕びっくりだよー」と朝倉くん



「…。」何も言わずにびっくりしてる神田君



「うっせぇ」



憐はちょっとキレ気味



話を変えようと



「憐?何でここに連れてきたんですか?
てか、ここどこですか?」



と聞いてみる



すると、今度は憐以外のみんなが「は?」みたいな顔をした



「あぁ、今日連れてきたのは特に意味はねぇ。」



ないんかーいと心の中で突っ込んでみる



「で、ここは…」



と言いかけた憐



中々言わない憐にしびれをきらして
「ここは?」と聞いた



憐は覚悟した顔になり言った



「ここは…白龍の倉庫だ」



…は?まじですか。



白龍を知らない人なんていない



だって白龍は日本一の暴走族なんだから



「そっか」



「おう。で、俺が総長だ
颯が副総長。春、竜、颯太が幹部」



と憐が説明してくれた







それから数時間みんなとたわいもない話をして喋っていた



みんなを呼び捨てで呼ぶようにもなり、仲良くなった



まぁ、竜は喋ってくれないんだけどね



そしてなぜか憐が拗ねている



「憐ーどうしたんですか?」



そう聞いても何も答えてくれないし…



もうほっとこ!



「じゃあ、そろそろ帰るね」



みんなにそう告げると立ち上がった



ガシッ



「送ってく」



さっきまで拗ねていた憐が言った



「ありがとうございます」



「流夢〜またな」

「流夢ちゃんまたね!」

「流夢さんまた」

「…。」



「うん、またね」



またなんてあるのか分からない



もしかしたらもうないかもしれない



今まではそう思ってた



いや、またなんてしんじてなかったんだ



でも、初めて「また」を信じれそうな気がしたんだ







外に出ると憐がまたバイクに乗せてくれて、ヘルメットもかぶせてくれた



「ちゃんと捕まってろよ」



そう言われ憐の腰に手を回した



それが合図だったかのようにバイクは走り出す



憐の腰に回った自分の手に力を入れ、ギュッと抱きしめてみる



憐がこちらを振り返りふっと笑う



その笑顔にドキッとして、安心した



ずっとこのままいたいと思ってしまった







家に着きまた憐がバイクから降ろしてくれた



「憐。ありがとうございました」



「あぁ。流夢、敬語やめろ」



いきなり言われたからびっくりしたけど



「うん」



って答えておいた



「早く中入れ、風邪引くぞ」



私の頭を撫でて言う憐にまたドキッて胸がなった



「うん、送ってくれてありがとう
気をつけて帰ってね」



「ん」



そう言うと憐はバイクにのり帰って行った



その姿を見えなくなるまで私は見つめた