「待って…マジ⁇」

「ん」

「このタイミングって…」

「ん」




タイミングって大事かな?




思った時、感じたとき…。




その時その時に伝えたい。




「公園行こうか」

「ん」




昔よく遊んだ公園。




久しぶりに見た懐かしい風景。




少し高台にあるその場所は、私とアイツの思い出がたくさんある。




「喜嬉…好きって、それは友情?」

「ううん」

「家族愛?」

「違う」




頭を抱え込むアイツ。




迷惑だったのか…。




少しだけ自己嫌悪に陥りだした時…




アイツは私を抱きしめた。




キツく…でも優しく。




「嬉しいよ、喜嬉」

「ん?」

「俺も…ずっと好き」

「ん」

「今日から喜嬉は俺の彼女な⁇」

「ん」




幼馴染だった私たちの関係が変わった瞬間…。






「帰ろっか」

「湊の家?」

「当たり前じゃん」




さも当然だと言うように私を引っ張って行く湊。




湊も洗脳された1人なのかもしれない。




「ねぇ湊…」

「どうした⁇」

「普通、他人の家に入る時ってインターホン鳴らすよね⁇」

「そうだな」

「私、湊がインフルエンザで休んでるとき初めて湊の家のインターホン押したよ」

「だって俺の家は喜嬉の家でもあるだろ⁇」

「……そうなのかな?」

「そうだろ。今までもこれからも、ずっと俺と喜嬉は一緒じゃん」




湊に言われるとそれが正解のような気になってしまう。




今までもこれからもずっと一緒…。




幼馴染でも恋人でも。




関係の名前が違っても、私と湊は離れないんだ。




きっとこれは決まってることなんだ。




湊が居ないと私はダメになる。




多分湊だってそう。




2人で居るから、今があるんだね。








ひとりよりふたりがいい




ふたりなら私と湊がいい




ずっとずっと隣は湊がいい




他の誰でもなくて
最初から最後までずっと湊がいい





となりにはいつも君

過去も未来も現在も…






終わりました…‼︎


一応これで完結。


無理やり感があるけど、これで完結‼︎


誰がなんと言おうと、これで完結‼︎


でもまぁ、自己満でおまけを書きます…




こんな意味不明な作品を最後まで読んでくれた方々…
こんな中途半端な作品を目に止めてくれた方々…

本当にありがとうございました‼︎




龍迅



俺、湊、17歳。



幼馴染だった喜嬉とつい先ほど付き合い始めた。



ずっとずっと、物心ついたときから喜嬉が好きだった俺。



正直まだ夢じゃないか、と思う。



いつか、喜嬉の準備ができたとき、俺から告白しようと決めていた。



そんな決意は喜嬉を前にすると、いとも簡単に崩れた。



いつもマイペースで、少し抜けてて…。



自分の可愛さに気づくどころか、自分の容姿に興味がない喜嬉。



そんな喜嬉に俺はいつも振り回されてる。



喜嬉にはそんな気はナイんだろうが。





って、喜嬉っぽく喋るの辛ぇ〜‼︎




喜嬉はあの喋り方だからカワイイんだけど…。




俺はムリ‼︎




「ねぇ」

「ん?どうした、喜嬉?」

「知ってた?」

「何を?」

「ぶりっ子って力持ち」




うん、喜嬉はこんな子だ。




イマイチ言ってる意味がわからない。




…ぶりっ子が力持ち⁇




喜嬉を閉じ込めたのって…




「ぶりっ子達に何かされたのか⁇」

「別に」

「じゃあ何で力持ち⁇」

「あのね、気づかない内に手足縛ってガムテープ貼られた。すごいよね」




…何もされてない、ことねぇじゃん‼︎




手首に若干後が残ってるし…。







「喜嬉、手首痛くねぇ?」

「ん、大丈夫」

「靴下脱いでみ?」




ノソノソと靴下を脱ぐ喜嬉。




やっぱり足首も内出血してる。




アイツら許さねー。




マジぶりっ子とか俺ムリだし。




てか、喜嬉以外女じゃねぇ‼︎




「大丈夫だよ」




そう呟く喜嬉。




俺が仕返しすると思ってるな…。




あながち間違ってねぇけど。




「湊が隣に居てくれればイイ」




…喜嬉さん。




今の言葉めっちゃキタ‼︎




無意識でそんな言葉を言うからたちが悪い…。




一応俺も男だし、ずっと好きだったオンナと付き合えて舞い上がってるっつーか…。




このままだと手ぇ出しそう‼︎




「ちょ、喜嬉?何してんの⁈」

「何って。着替えてる」




俺が悶々と考えてるっつーのに、喜嬉は呑気に着替え始めた。




今までと変わらないことだけど、やっぱり関係が変わると今まで以上に意識しちまう。




「そこのジャージとって」

「お、おう」




下着姿でボケーッとしてる喜嬉。




見慣れた姿のはずなのに、やっぱり意識しちまう俺。




俺が異常?




違うよな、今までの『習慣』が間違ってたんだ。




確実に喜嬉の育て方間違った…。




男の前で平然と着替えたり、ベットに横になったり…。




今まで注意しなかった俺が悪いよな。








「なぁ喜嬉?」

「ん?」

「喜嬉が着替えるとき、俺部屋の外に出ようか?」

「なんで」

「一応俺も男だし?」

「別にイイ」




え、俺…男に見られてない⁉︎




告白されたけど…。




好きって言われたけど…。




どういうこと⁉︎




「湊ならイイ」

「はい?」

「湊は私が嫌がることしない」

「おう?」

「だから安心できるから」

「お、おう…そうだな。うん、でも、他の男の前で下着姿とかになっちゃダメだぞ⁇」

「私、湊とモモ以外と接触しない」




結局、喜嬉の言葉に騙されてるっていうか…。




振り回されてるっていうか…。




納得しちまう俺って…弱い?




でも、喜嬉が俺だけに懐いてくれてるのだと思うと、ヤバイ嬉しい。




自分を表現するのが苦手な喜嬉。




周りにあまり興味がナイ喜嬉。




実は寂しがりやの喜嬉。




俺だけが知ってる弱い喜嬉。




喜嬉が俺を好きっていう事実だけで、なんか満足かも…。




喜嬉だけはずっと隣に居てくれる。




過去も未来も現在も…




ずっと変わらないものがここにある。




なんてな‼︎






「ねぇ湊」

「どうした?」

「眠い」




言いながら既に半分寝てるし…‼︎




カワイイ寝顔は俺のもの。




俺の服をキュッと掴むこの手をずっと離さねぇ。




「………湊」




カワイイ寝言も俺のもの。




そこに一筋流れる雫。




…怖かったんだな。




閉じ込められて、縛られて。




怖くないわけナイのに。




それでも俺を信じて…。




そっと喜嬉の頭を撫でる。




「もう、誰にも傷つけさせないからな?」







そっとキスをして…。







「ずっと隣にいろよ?」







ただひたすらに君だけを想うから。








end.




湊と付き合い始めて約一ヶ月。




再びぶりっ子に呼び出された。




以前と違うのは、後ろに湊がいること。




また閉じ込められるのはゴメンだ。




だから湊を連れてきた。




訂正しよう。




湊が無理やりくっついて来た。




「あの…」

「何」

「その、えーと、あの‼︎喜嬉ちゃん‼︎」

「何」




ぶりっ子モジモジめんどくさい。




前はハッキリ言ってたのに。




あぁ、そうか。




後ろに湊がいるからブリブリしてるのか。




女子って大変だな。




「ごめんなさい‼︎」




何故?




謝られることをしたのだろうか。




そもそもぶりっ子とあまり関わりがナイ気がするが…。




「その…閉じ込めて…喜嬉ちゃんのこと傷つけたから…」

「別に大丈夫」

「え?」

「死んでないから大丈夫」

「え?そこ?」

「ん」




無事に湊と付き合えたし。




湊が隣に居るし。




だから、うん。




謝られる意味がわからない。