――コンコン


――「シーン」



あれ?誰もいないのかな?


ドアをノックしてみても返事がない

シカもどこかへ行ってしまった。




ドアノブに手をかける


――ガチャ




え?
あいた。



少しの罪悪感があるものの、このまま外にいたくないアレンは、ゆっくりドアを開けた。




「...こんにちはー。誰かいませんか?」




中は薄暗く、何の気配もしない




誰もいない?

でも、さっき外で匂ったいい匂いがする。
もっと奥の部屋からだ。



アレンは、恐怖心よりも、好奇心のほうが強いようで、どんどん奥の部屋へ向かっていく



「うわぁ。部屋がいっぱい」



外から見ると、ただの平屋の一軒家だったのに、中に入ると僕のお城みたいに広い廊下に、たくさんの部屋があるんだ。


どんな作りになっているんだろう?



部屋と部屋をつなぐ長い廊下をきょろきょろしながら歩くアレン




「あ!あそこの部屋から匂いがする!」




少し、ドアが開いている部屋の前にたどり着いた。