こんなに森の中に入ったの初めてだ。


気が付けば、アレンの周りには、雄々しい木々がそびえ立ち、不気味な鳥がさえずっている。



なんだろ。
確か、まだお昼過ぎのはずなのに、まるで夜みたいだ。



日の光も届かない森だったなんて知らなかった。





さらさらと、流れる川にたどり着いた。



「...っあ!水だ!!」



城から走りっぱなしだったアレンの喉は、創造以上に喉が渇いていたようで喉を鳴らしながら勢いよく水を頬張る。


ここ、どこだろ。



こんな森の奥初めてだよ
帰り道わからない



――ふわっ



ん?
なんだろ。
いい匂い



周りを見ると川を少し上った方から煙が上がってるのが見える。




...誰か、いるのかな?



――「森には、魔女がいます。」




アレンの頭の中にアルバートの言葉が蘇る。



いや。でも、もしかしたら魔女じゃなくて、住んでいる人がいるかもしれない
帰り道を聞こう。



もし、魔女だったら...。




――ぐぅ



あ。お腹すいた



タイミングよく、お腹が鳴った。



とりあえず、行ってみよう



すると、少し前を歩いていたシカも小さな小屋に向かって歩き始めた。