なぜだろう。
いつものら、行きたいって思うけど心の中ではダメだって制御できていたのに、今日の僕は、変だ。



心は、ダメだというのに、体は、まっすぐに森に向かってる。




森の入り口に、差し掛かったところで、ふと、足が止まった。




...っはぁ。はぁ。

僕、どうしちゃったんだろう。

あれ?なにかいる。




がくがくと震える膝を支え前を見ると、森の中に立派な角を持つシカがアレンの目の前に現れた。




「...君が、僕を呼んだの?」




シカは、何も言わず踵を返して森の中へ行こうとする。



「待って!!!」




なぜか、アレンは追わないといけないという気持ちになった。