誰かいる?
そっと覗くと、黒いマントに、腰の位置まである黒い長い髪の女の人がいた。
何か、言ってるけど
聞き取れない
もう少し近づきたいな
もっと近づきたいという衝動にかられたアレンは、ズイッと体を前に出した
――ギシっ
「だれ!?」
「うぇ!?」
ドタッ
驚いて前にこけたアレン
「痛って」
膝打った、痛いよ
って、気づかれた!?
急いで起き上がるアレンの前には、さっきまで背を向けていた女の人が立っていた。
「...あ。お邪魔してます。」
「...招待した覚えはないのだけれど、ようこそ」
少し不機嫌な女の人は、まじまじと僕を見る。
だから、僕も負けじと見つめる。