「お前も綺麗なネックレスしてんのな。悪いけど、邪魔だから取るよ?」
「うん」
斗真の動きが止まる。
「なぁ、コレって……」
手の内を眺める斗真に、私はそのネックレスをバッと奪った。
胸元でぎゅーっと握りしめる。
「ごめん!ごめん!もう見ない。触んないから」
髪を撫で、唇を重ね、
私を落ちつかせようとする。
見られた?
いや、まだ、分からない。
すっかり忘れてた。
コレ、斗真から貰ったネックレスだって。
別れたからとか関係なく、いいなと思ったものは私使っちゃうタイプだから。
斗真と付き合ってた頃に貰ったリング状をしたネックレス。
内側には文字が掘ってある。
私と斗真の名前の……
でも、それさえ、見られてなければ、どこにでもあるようなネックレス。
とりあえず、依頼物も手に入ったことだし、私は早急に姿を消した方がいい。