社長の勘は当たってたのかもしれない。
私は斗真からデートに誘われたのだった。(たぶん)
「ごめんなさい。待ちました?」
「いや、今来たとこ……」
言いながらも、目線は私に釘付け。
ふわふわした白いワンピースにちょっぴり高いヒール。
斗真の大好きなお嬢様系ファッション。
仮にも元カノである私は熟知しているのだ。
「今日の服、可愛いな……」
「ありがとうございます」
さっと、手を取って歩き出す。
「美緒ちゃんさぁ、敬語じゃなくていいよ」
「でも、それは……」
「俺がいいって言ったらいいの」
「はい……あっ……」
「ちょっとずつ慣れていこっか?」
並んで歩く私たち。
斗真の方が確実に歩幅が広いのに、ちゃんと私に合わせてくれる。
そういうとこの気遣いは昔から好き。