齋藤さんと約一ヶ月の恋【短編】




齋藤「…んで話はそれだけ?あっちにさ、待ってるんだよね、友達。」


高橋「あ、はい」




怖すぎて、付き合ってくださいなんてとても言える雰囲気ではなくて…

思わず齋藤さんが通り過ぎるときにも
肩がビクッとした。





齋藤「フッ。子犬みたい」




初めて笑った顔を見れた。

笑った顔の方がなんかキュンときたよ!


さすがだね、齋藤さんは。
あれだけ男子集めてるだけあるよね。

なんだかしらないけれど、
あの告白されてきた日からずっと付きまとってくる女の子…っぽい顔した男子の制服着た人がついてくるようになった。



高橋「さいとーーさぁあああん!」



屋上から私を見つけては、
大声で叫ぶ。

恥ずかしすぎて顔も上げられないじゃないの。



青島「おい、お前叫ばれてるぞ」


齋藤「あぁ。ほっとけ」


福永「ギャハハ。ひでぇなお前w」



青島優人(あおしまゆうと)
福永雅紀(ふくながまさき)


は、男友達。

前女子に絡まれているのを助けてやったら
いつの間にか隣にいた。



青島「だけどさ、お前あのままほっとくわけにもいかねぇだろ。」


齋藤「まあね」



うん。


まあ、いつかはどうにかしなきゃいけないんだけど

私を女子として扱ってくれた人が


高橋くんが初めてだったからどうすればいいか全くわからないんだ。
2月2日。

今日は屋上から齋藤さんに手を振った。


青島くんと福永くんが
こっちを見てニヤニヤしてたが気にしない。


齋藤さんは呆れ顔だったが、
あれをポジティブに捉えるともう少し頑張れってことだからもっと頑張ろう。



しかし、
最近女子が周りによってくる俺を女子と間違えているのだろうか?
2月3日。


豆まきということで、
俺も齋藤さんの好きな飴をまいてみた。

そしたら
福永くんが笑いながら飴を食べていった。


齋藤さんのための飴なのに…


それから一緒に帰ろうと齋藤さんに言った。



齋藤「勝手にすれば?」



と言われたので、
青島くんと齋藤さんの間に割り込んでいった。

いい匂いだった。
2月4日。


朝起きて窓を開けたらちょうど齋藤さんが通った。

ビックリして俺は急いで支度をして
一緒に行こうと思ったがもうそこに齋藤さんはいなかった。



残念だった。


…昼間に俺のスリッパなくなってるし、
もう最悪な一日だ。
2月5日。


齋藤さんは今日もバスケ部の手伝いで
試合に出ている。

さすが齋藤さん。


男子のメンバーに入ってるのにも関わらず、
走りやテクニックは全く劣っていない。


俺もバスケ部入ればよかったかな?




そういえば、スリッパ返ってきた。
何故か知らないが女子が持ってったそうだ。
2月6日。


今日は齋藤さんに新しい男友達が出来てしまった。

富山大毅(とみやまだいき)


らしい。

バレー部で頭がいいやつらしい。



齋藤さん取られたらどうしよう。

俺不安です…



そういえば、
どっかの女子が群がって弁当持ってきたけど

そこでお弁当食べると思ってどいてあげた。


俺優しい。


齋藤さん好きになってくれるかな ?
2月7日。


今日は齋藤さん休みだった。

富山くんと福永くんが俺を誘ってくれて
齋藤さんの家に行こうって言ったから一緒に行った。


ちょっと照れていてバケツで俺の頭殴られたけど気にしない。


富山くん心配はいらないよ。