そこにいたのは、櫻本綾斗くん。

容姿はかっこいいけれど、
その冷めたオーラのおかげで
話しかける人はいなかった。

私もその一人。

気づいたら私は、
無意識に櫻本くんを見つめていた。


「…なに?」


それに気づいた櫻本くんが
視線をこちらに向けずに、そう言った。


「ごめん。何でもないよ」
「あそ」


相変わらず無愛想な櫻本くん。
きっといい人なんだろう。
なんて、勝手にそう思い込んで、私は
「よろしく」と小さく呟いた。


「うん」


今回も、またハズレでした。