「もう何度目?これ以上美恋をいじめないで」



「だって…」


「女の子に悪口と暴力は似合わないよ」



女子たちにウインクをする崇。

女子共は頬を染めて去って行った。





「ふぅ」

あたしはため息をつく。


明日で卒業式。

受験をした崇とは別の中学に行くことになる。



「大丈夫?あいつらもこりないな」


「うん…」



あたしは、いじめられることよりも崇と中学が別々になってしまうほうがイヤだった。





「ねぇ、崇…あたしを一人にしないでよ。どうして受験なんてしたの?」



「美恋はこれからは俺に頼るな。たとえまた、いじめられても自分の力で乗り切る必要がある」


「あたしは甘え過ぎたの?」



「そういうことだ」


そんなの…そんなのヤダよ…

まさか、あたしを避けたいを理由に受験するなんて…



好きなのに。





こうしてあたしの初恋は失恋に変わった。


勿論、告白はしていない。











あたしは知らなかった。


崇が受験をして、あたしから離れた本当の理由が…