ガシャン!!




一瞬、私の後ろから突風が吹いたかと思った。


先輩が、エレベーターの扉を開けてくれた。


足が止まりそうだったけど、私にはそれよりも大事な事を瞬時に思い出して再び走って、エレベーターに飛び乗る。



「…何階?」

「ぁ、ハァ……ハァ…。さ、3階、です」



座り込みそうになる足を叱咤して、私は手早く呼吸を整える。

「里莉?」


話しかける先輩の声に気付かず、私は震える手を合わせて祈るばかり。




「里莉? 3階についたぞ」
「…はい…」




先輩が、私の肩を揺さぶってくれて、我にかえった私は前を見たら、見慣れた3階の景色が広がっていた。




それを見た私は、弾かれたように目的の病室へと、走っていく。





早く…早く…。