「じゃ、運転手さん。こいつが言った所まで出して」
勝手に乗り込むなー!! って、喚きたかったけどここで口論してる暇はないんだ。
仕方なく、私は運転手さんに「お願いします」って、出発を促した。
…もう、そこからは先輩と会話はなくて、ただただ私は祈り続けた。
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目的地である、国立病院に辿り着いた私は、お金を払ってそのまま病院内へ走って行く。
お願い…無事でいて…。
3階へ上がるエレベーターがちょうど、扉を開けて待っていた。
それに乗り込もうとするけど、エレベーターの扉が閉まろうとしている。
これを逃せば、しばらく待たなきゃいけなくなる…。
閉まりかける扉と、私が走る距離はとうてい間に合うはずもなく…。