泣きそうになり、私は堪えようと何度も深呼吸をして、タクシーが来るの待っていた。




この、来るまでの間がもどかしくて、今すぐに走り出したくなる程だった。


チラリと見えたのは、待っていたタクシー。




「…国立病院にお願いします!」


そう言って、タクシーの中へ入ろうとした時、後ろからドンッ! って、誰かに押された。


「きゃっ!」



軽く悲鳴を上げてしまった事に自分でも驚きつつも、私を押した人物を確認するために後ろを振り返った。



「せ、先輩!? 何するんですか!?」

「うるせっ。ハイハイ、奥へ行け! 奥!」




ズィズィッと奥に…タクシーの運転手の後ろに座らされてしまった上に、私の隣りに先輩が座った。



オマケに…オマケに、タクシーの扉はバタンッ! って、閉じられてしまった。