突然の翔嘉さんのセリフに私はただただ、ビックリで彼女を見上げた。
「うん、やっぱり可愛い!」
一人で納得する翔嘉さんに私は、どうしたらいいのか分からなくなって俯くだけ。
「あ、そろそろバイト終わりだよ」
俯いていたから、頭の上から翔嘉さんの声が響いた。
その声に、私はどう返事をしていいのか分からなかったものを飲み込んだ。けど、それは飲み込んだ際に喉元にシコリを残したように何とも言えない気持ちにさせた。
バイトを終えて、家に帰ろうと、裏口の扉を開けた瞬間、私は驚きの余り…不覚にも目の前にいた先輩に悲鳴を上げて、持っていた鞄で殴り飛ばしそうになった。
…時々いるのよね…。パン屋でバイトしてる自分好みの子を裏口から出てくるのを待ち伏せている人って…。
私は今までにあった事がないんだけども、先輩だとも気付かなくて変質者と間違えそうになった…。