「…先輩。授業に出なくていいんですか?」
「あ~。いいよ、どうせ俺、専門だもん」




受験生でしょ? って心配した私が馬鹿だったのかもしれない。


ヘラリって笑う先輩の顔が私の苛立ちを増長させる。





「あ、そうですか」


そう一言言って、私は再び歩き出す。もちろん、その後ろを先輩も歩く。




ピピピピ。




私の携帯がなった。

慌てて、着信者を見てホッとした。




「もしもし、太一君?」

『オ~! 里莉、今どこだ? 迎えに行こうかと思ってさ』




「本当!? わ~、助かる! ちょっと尋常じゃない状態になって…」



太一君の声を聞くと明るい気持ちになる。







『尋常じゃない状態って…。……それ、お前か?』