殴られた上に、あの上級生たちはカッターを私に向けた。
明らかに銃刀法違反に引っ掛かるだろうな。
目の前の先輩が、何も言わなくて私は少しイラッとしたけど、感情が赴くまま…とまで行かないけど…口を開いた。
「余計なお世話かもしれないですけど、先輩…、人見る目がないんじゃないですか?」
「…そう、かも…」
目を丸めて、どこかバツの悪そうな顔をする先輩に私は思わず溜め息を吐く。
「…でも、里莉は別だからな」
不意打ちに近い状態でそう言った、彼は私に向かって…きっと、こう言うのを『甘い』なんだろうな…笑顔を見せた。
ドキ…。
…え? 何、今のドキッて…。聞き違いよね?
急に高鳴った心音に戸惑う私。
意味が分からない。