「たぶん。私の生まれが良くないって、聞いたんでしょ?」
ニッコリと笑いながら言うと、またまた先輩は気まずくなって眉に思いっきりシワを寄せて私の顔を見ていた。
「…まあ、気にしても仕方ない事ですから。親が子供を選べれないように、子供も親を選べませんから」
……何言ってるんだろう私。先輩相手に…。
少し気不味くなって、私は俯いた。
「…気にしないいいですから。私、気にした事ないです。あとこれ、先輩のリクエストの唐揚げ入りのお弁当です。先輩がどれだけ食べるか分かりませんけど…」
私の使ってるお弁当に比べて、少し大きいぐらいで食べても足りないんじゃないのかなって思ったけど、先輩が食べるかどうかと言うのはまた別。
「え…。マジで? イヤ、嬉しい!! リクエストした時、里莉がイヤな顔したから無理かな~って思ってたんだけど…めっちゃ嬉しい!」
子供のように笑って喜ぶ先輩を見るのはイヤじゃない。
けれど、こんな人通りの多い所で喜ばないでほしいな…。
…だって、皆の注目を浴びてるんだもの…。