覚えがない感覚に私は戸惑うばかりで、頭の中が真っ白になる。


や、やだ…怖い…。



「…何、怖いの?」



思ってた事を言い当てられた事に私は、ひどく動揺して先輩の腕の中で体を強張らせた。

怖いってば!


こ、こんな風に人に触れ合うなんてないから、怖くて…ヤダ…手が、体中震える…。

「…髪、長いな…。いつから伸ばしてんだ?」



耳の近くで、喋らないでぇ…。

「里莉?」

「や、やめて下さい…」




恐怖の頂点を達した私は、悲鳴に近い声を上げて先輩の腕から逃げる。


ガチャン!


「……あ…」