先輩が私の事をどう思っているか分からない。


でも何を考えているか、知りたいようで知りたくない。


ん~…、複雑だわ…。



…ってか、あまりイイ方へ考えるような事はないな。

でも…でもね?


「…美味い!! このコロッケ美味しい!!」

「…そうですか…」



自分が作った料理を褒められてイヤな気分になんてならないでしょ?


毎日作って、美味しそうに食べてくれる顔って、どうしてこんな気持ちが満たされるんだろう。


今まで興味のなかった先輩を身近に感じて、戸惑いが出て来る。

イジメもまだ、続いているけど先輩は何も言わない。


今日も調理実習中にまな板を手首にぶつけられて、軽い捻挫になって腫れている。


保健室の先生にも誤魔化したけど、絶対にバレてそう。


「美味い。なぁ、里莉。このコロッケの中って何が入ってんだ?」

「きんぴらコロッケとひき豚とポテトサラダのコロッケです」


一応、保健室の先生は大袈裟だよって言うぐらい大きな湿布と何十にも巻かれた白い包帯。