何を言ってるの? と、思いながら私は目を丸めて先輩の顔を見ていた。





「……先輩? わ、私が…ウェディングドレス…?」

「うん。どれがいいかなぁ~? ってさ…」



よくよく見れば、先輩が手にしているのは某結婚雑誌。






………マヂですか?





って、結婚…と言うか籍は入れたんですから、いいじゃないですか…。




と、そう言おうとすると…。


「籍入れたけどさ、やっぱ、里莉のウェディング姿見たいしさ…」




…ひ、卑怯です先輩は!


頬を少し赤らめて、右手で照れ隠しなのかガリガリと頭をかく。
その姿が、どこか…可愛いって思ってしまった。


「ちっちゃくてもいいからさ…教会で挙げたくない?」



女の子なら誰でも憧れる教会と真っ白なウェディングドレスを着る。



けど…けどけど…私…。


「そ、それは…」
「俺は里莉のドレス、見たい…」


いつの間にか、私の目の前に近づいていた先輩…。