そんなにも私の事を思ってくれてたんだ…。





嬉しくて、少し涙が込み上げて来る。



「…イヤか?」




「ち、…違う…」




首を横に振りながら、次の言葉を探し出す。




「……嬉しい…の。兄さんが、こんなに…私の事も考えてくれてくれたなんて…」



「………俺も、嬉しいって思ってる。こいつを幸せにする事は絶対に約束する。絶対に守る」


ギュッと手に先輩の暖かいそれを握り締められた。


また溢れる涙。



嬉しくて、嬉しくて…。




先輩も私の事をこんなにも思ってくれてるなんて…。




嬉しい…。私は、何て果報者なんだろう…。





「…里莉……。結婚しよう。…まだ、指輪も買ってない俺だけど…。これからも、里莉のメシを食っていきたい…」




「………はぃ。……はい……」




握られた手から、先輩の温もりが伝わり私は、涙が零れ落ちて、拭っても拭っても新しく生み出される雫に困りながらも…何度も頷くだけ。