車の後部座席に乗り込むと、ユックリと動き出した。運転手は兄さん。




静かな車内で何を喋れば言いのか分からない。




相変わらず、これだけは苦手だわ……。






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シンと静まり返ったリビングのソファに、私と先輩は並んで座った。

「…何だろうね~…」

「……はい…」

「………待たせた」




席を外してた兄さんが、戻って来た。



手には、書類を持っているけど…何だか、慎重そう?






「二人とも、この書類にサインしてくれ」




差し出された書類を広げて見て、私と先輩は驚きで息を飲み飲んだ。






「「こ、婚姻届!?」」






あら? 息、ピッタリ。



…って言うか…、何で婚姻届なの!? 何で?



「二人とも、結婚する気でいたんだろ?」



「い、いや……。でも、私…学校だってあるのに…」