先輩は、泣き出す私を抱き寄せて「泣~く~な~…」って、少しだけ情けなく囁いた。





私が泣くのだけは、苦手みたい。泣く度にオロオロする先輩の顔が、どこか可愛いと思ってしまった。




「せ、先輩ぃ~…。ひ、人が、見て…るぅ…」




泣きながらも周りの視線に気付いた私は、恥ずかしさが生まれてきた。



恥ずかしくて、先輩から離れようともがくけど…は、離してくれない~!





「先輩…!?」

「見せつけちゃれ!!」




さっきまでオロオロしてた先輩が、喉を鳴らしながら笑いだしていた。


チュッ…。頬に先輩の柔らかい唇を感じて、私は顔だけじゃなくて体中が、カ~ッ!! と熱くなってしまった。


「ばっ…バカァ!!」




拘束された腕の中でバタバタと暴れるけど、先輩はものともせず私を抱き締めたまま…。





恥ずかしい! ヤダよ~!