なぜか恥ずかしさが込み上げて来て頬が熱くなる。
「仕事の方が、何とか区切りが付いたから良かったようなものを…。あんまり慌てさせるな」
「……はい…」
兄さんが少し困った顔で私を見下ろしてるから、少し反省。
私ってば、あまり前と変わってないのかな? 兄さんに心配ばかりかけちゃう。
「香輝は?」
「…残念ながら、スクールで帰ってこれない。おまけに、友達のバースデーパーティにも招待されたみたいだったな」
「……そうですか」
少し残念。久しぶりに香輝の顔を見たかったんだけどな…。
香輝に会ったのは、手術の前後。さすがに、試験が控えているから、意識の戻らない香輝の寝顔を見るだけだったな。
でも、元気でいるならいいか…。
「淋しいか?」
「…少し、寂しいです。香輝の笑顔に励まされてましたから…」
「そうだな…」