「……里莉ちゃん? 俺、プロポーズのつもりで言ってるんだけど…。…OKなのかな?」
プッ、プロポーズ!?
あまりの展開に目を大きく見開いて、私は先輩を見上げた。
すると先輩は「やっぱりね…」って呟きながら苦笑してた。
な、何がやっぱりなの?
「この間、クローバーのネックレス上げただろ? あれ、指輪の変わりなんですけど…。言ってなかったっけ?」
……い、言ってました…。言ってるのを覚えてるけど…まさかスグだなんて、思ってもみなかったから……。
私が驚いてアタフタする姿を見て、楽しいみたいで先輩がクックッ…って笑ってる…。
ひ、ヒドい……。そんなに笑わなくたって!
「……で……返事は…?」
「…へ、返事って…それよりも先輩…、ほ、本気で就職するんですか!?」
「うん。大まじ。俺は、今まで両親や礼子さんに甘えてたもん。そろそろ、独り立ちしてもいいと思う。里莉は、もし行きたい大学や短大が合ったら行ってもいい。今までお前は、兄貴らに頼らずにいたんだから、これからは甘えればいいんじゃねぇ?」
先輩の口から、これからの先の事を言われ、私の事も一緒に考えている事に少し感動してしまった。
「……そんな所まで、考えていたんですか?」
そんなに未来予想をしていたのか…と、半分、関心して先輩を見上げた。
「…惚れ直した?」
「………少し、ですけど……」
「…んじゃ、俺のプロポーズを受け取ったとみなしちゃうよ?」
え? と、言おうとした瞬間、先輩に口を塞がれてしまった…。
……キスと言う方法で……。
…私は、いつの間にか先輩のプロポーズを受けた事になってしまった。
…う、ウソォ!?