追いついた先輩の腕を掴んだ…けど…。





「…きゃッ…!!」


ふり払われたかと思いきや、逆に腕を掴まれ…引き寄せられ、強引にキスをされた。



誰もいなくなった廊下で、濃厚なキスに私は…足に力が入らなくなってしまう…。





「ん…んん…」


「…里莉…」




耳元で囁やかれる先輩の低い声に、背筋がゾクゾクとする。


…や、何これ…。




自然と、先輩の声に反応する私の神経。


「ご…誤魔化さないで…先輩…。どう、して…就職なんか…」



「………俺、早く一人前になりたいんだ」




「…な、何で!?」





ビックリした。だって、そんな事を言い出すなんて思ってもみなかったもの…。



一人前になりたい…。その言葉が頭の中をずっと周り続ける。



♪~~♪♪~



5時限目が始まるチャイムが鳴り響く。



「……こっち…」



手を掴まれ、先輩に導かれるように歩いて行く。



行き先は…。