私は大学卒業後、祖父の代から継いでる今の会社に入った。里莉の父親は、教師になっていた。




会社に入れば、互いに酒を飲みあうと言う事も余りなくなったが、兄弟のような親友だと言う事は、二人して言えた。





その頃、私は20歳で歩望の母親と親の進めもあって結婚したが、余り夫婦仲はよくなかった。




そんな時に里路もようやく結婚したと思ったが、二年で終わった。理由を聞けば、自分の外見だけで見られた事に腹が立ったらしい。



里路は、外見を褒められるのが嫌いだった。



離婚した後は、女っ気などなかったように思える。




そんな、30歳を半ばで差し迫った時…ようやく、気になる子が現れたと言う報告を聞いた時には、私も悩んだ。






相手が自分の教え子で、すでに妊娠していると聞いた時には、何とも言えないぐらい情けないと思った。



何度も話をしたが、彼女は降ろしたくないの一点張りで、終いには二人で駆け落ちまでしてしまった。





それを止められなかった自分が今でも情けなくて、悔しい気持ちだ。