毎日、こんな事が起きるのかと思いきや、そうではなかったのよね。

…どっちにしても、誰が付き合ったってギャーギャー言うんだろうな…あぁ、面倒だな…。


溜め息を吐きながら帰る私は、樋高先輩の事を思い出した。

クラスメイトたちの噂では歩く度、連れて歩く女は違って、性格はフラフラとしていると聞いた事がある。


連れて歩く女が毎度違う上、美女が美少女とかが多いらしい。



だから、私みたいなブスを相手にしている事に周りは驚きで…以前先輩に告白して玉砕した子達の逆恨みが酷い。

おまけに殴られるし…。


そんな恨みつらみを私に押しつけるなんて、バカげてるわ。





「里莉~!」
…人が悩んでるのに、この声は…。


声の持ち主がすぐに分かり、振り替える事もせずに私は歩みを止めずに歩き出す。


誰のせいでこんな事になったのよ!


口を開いたら、今までの鬱憤を吐き出しそうだったからだ…。



…だって自分で決めた事だもの…、もう嫌だなんて言ったら、バイトの事をバラされそうだもの。