恐る恐る手紙を広げて行くけれど、手が振るえて…上手く開かない。
手紙の1枚目には、手紙よりさらに古いモノが挟まれており、私はそれが最初何だか分からなかった。
「……写真…?」
そこに写っていたのは、若い青年で…カメラの存在に気付いておらず、イスに座って友達と喋ってたんだろう…楽しそうに笑っている。
誰? この人、誰?
「その写真の男が、お前の父親だ」
「…え?」
始めて見る父親に私は、ただ目を丸めて写真を見つめる。
ジッと、見つめてお母さんが、私の顔を見て父親と同じ顔をするなと言っていた事を思い出して、観察してみてどこがどう言う風に似ているかを観察した。
「…兄さん…。私、父親似…なの?」
「雰囲気が似ているそうだ」
そう言われても、よく分かんない。
もう一度、写真を見つめた後、私はお父さんの手紙を開いた。
…さっきまであんなに手が震えていたのに、父親の写真を見たと言う事もあって、落ち着いてのかもしれない…。
手紙いっぱい、懐かしいお父さんの字が並べられていた。
『里莉へ』と言う所から始まっている。