「……いつまで、そこにへばり付いているつもりだ…。入りなさい」
中にいたのは、当然で出て来るのが兄さんなので当たり前なんだけど点いざ、前にすると緊張で体が硬直してしまう。
繋いでいた先輩の手も、パッと離してしまった。
「…座れ」
「はぃ…」
言われた通りに、兄さんの向かいのソファに座ると、私の隣りに先輩が座った。
…何か、距離、近くありませんか?
「…太一から聞いた。血の繋がりがないと聞いたんだな?」
上から押さえ付けられるような、兄さんの声に私は思わず目をギュッと閉じて、小さく頷いた。
…だって、何て言われるか分からなくて、怖いんだもの。
「………そうだ…。俺とお前は、血が繋がってない」
決定的な事を言われ、私には衝撃があった。
「聞きたい事があるかとは思う。何が聞きたい?」
…そう言われてしまうと、何が聞きたいのか分からない。
簡単に言えば、頭が真っ白になった…と言った方が分かりやすいかも知れないな。
「…いきなり言われても、分かる訳ないか…」