何を話してくれるんだろう。
ドキドキする…。
緊張する。
「明日、樋高礼子が真実を発表する。…俺の事だ。俺も発表する事には、別に反対する気はない。ただ、それをする理由を知ってほしいんだ。
礼子さんがお前の兄貴の会社のイメージキャラクターで契約してるんだけど、それを破棄しようとしたんだ。
礼子さんが、な。理由は、お前だ。
里莉が好きでもない男でもない所に行くのが許せないらしいから、訴えたんだよ。
なら、自分の事をバラして会社に損害をするって、言ったらしいんだ。
同時に、もう自分の事を言ってもいいって言ってた。俺もそれでもいいって言った」
「………本気、なんですか?」
「本気。まぁ、ちょっと怖いけどね。未知の世界だから、マスコミって」
困った顔で笑いながら先輩は私を見下ろした。いつの間にか、隣りに並んで歩き出す私と先輩…そして、絡み合うように握りあう手。