顔を真っ赤にして、私を睨み付ける。
「…悪いけど、意味のない呼び出しにはついて行く気がないの」
そう言って、その子の横を横切って帰ろうと歩き出した。
その瞬間、誰かに…って言っても、さっきの子しかいないんだけど…肩を掴まれ
たかと思うと、無理やり振り向かされて頬を殴られた。
…そう、文字通り、拳で殴られた。
「…な!」
「アンタなんかっ! 自分があいつに選ばれたからって、付け上がらない方がいいわよ!!」
殴られた反動で私は、その場に呆然と立ち尽くした。
何で、こんな事を他人に言われなきゃいけないのか分からない。
分からないから混乱するし、余計なお世話だって言いたい。
けど、こういう時って誰に何て言っても信用されないのが悲しい所。
諦めて家に帰ろうと歩き出した。
…しかし、今日バイトがなくて良かったわ。