「…って、めぇ~…!! いい加減にしろよ!? もしネてたらどうするんだよッ!!」
ネると言う言葉に私は頭の中がパニックになってしまった。
「や~ね~…。それぐらい大丈夫じゃない?」
「ひ、樋高礼子!?」
サングラスを取った美女の顔を見て私は唖然とする。
世間で知らない人は余りいない、樋高礼子は大人気の女優。
最近では、バラエティやトーク番組とか出てるとか…。
「…いや~ん!! 可愛い子ッ!! レージのスィートハニー?」
か、可愛い子って…!? 私ぃ? ないない、有り得ないよ!
「いいから、明日帰ってくるんじゃないのかよ!?」
「や~ん!! レージが追い出すぅ! 騙されたのよっ。プロデューサーと一晩話ししてくれって言われたのよっ」
「話ならいいじゃないかよ」
「違うわよ? レージ! まだまだお子様ね。一晩話すって男と女二人っきりってネる事なのよ!!」
「…昔のアイドルじゃあるまいし…」
「だから、ぶん殴って帰って来たの」
もう、目の前で繰り広げられるものに、私はただただ唖然として先輩と人気女優を見つめていた。
さっきまでのシリアスな雰囲気はどこに行ったのかしら…。