それ以上、言葉が紡げずに、先輩の胸の中で泣き出した。
…つくづく私は、情けない人間だと思う。
私が現れた事で香輝のお母さんをも不安になって、自殺した。
私と関わりあうと、みんな自殺してしまう。私がいなければいいんだっ。
「私さえいなければ……皆、皆こんな事にならずにすんだのに…」
「…違う!! 俺は、お前と会えて良かったって思ってる! 確かに、賭けで里莉に近付いたけど、不幸だって思ってない!」
抱き締められる腕が、さっきよりも強くなって…一瞬、息が出来なくて嬉しくて…。
誰かに求められる事が初めてで、息が出来なくてさっきより大量の涙が零れ落ちては、先輩の制服に染み込んでいく。
「里莉。俺、お前が好きなんだ…。あの時、お前に興味を持った時から…好きだったんだと思う…」
腕の中にいた私を先輩は引き離したかと、思ったらキスをされた。
優しくて、優しくて…今まで、こんな風に誰かに求められた事は初めてで、嬉しかった。
「俺の事はどう思ってるんだ? こうやって、キスを普通に受けてくれる…俺のいい様に受け取っていいのか?」