ボロボロと涙を零しながら私は、自分の生い立ちを話し出した。
私の話を聞きながら先輩は優しく抱きよせて、背中を擦ってくれる。
その優しさが私の中にあった、辛かった過去が慰められているみたいだった。
「小学校も行ってなくて、読み書きが出来なかったんです。父も兄もそんな私が疎ましかったんだと思います…。私を見てはいつも溜め息ばがりで…」
あの冷たい視線が耐えられなくて、いつも下ばかり見ていた。
同時に家に迷惑かけないように、勉強を必してしてきた。
あんなに読み書きが出来なかった事が、嘘のように…。
中2で奨学金を受けて家に迷惑をかけないようにした。
そう努めていくなかで、お父さんが倒れて、あっと言う間に息を引き取った。
「里莉…。辛いんなら、もう…」
「通夜の時、兄さんの母親が死んだのが、自殺だって…。おまけにその理由が…私が原因だって…親戚中の…噂で…」