私をどうしたいのか、何をしてほしいのか、分からない。
だって賭けがバレたんなら、それ以上私に近付く事なんてないでしょ。あんな、あんな…キスなんて…するなんて…。
今更ながら、恥ずかしくなって私はその場に座り込んで頭を抱えちゃう。
あんな濃厚なキスされるなんて…。
「…里莉?」
ビクッ!!
恐る恐る後ろを振り返って見上げればそこには、目が少し笑っていた。
嘲笑うようなものでもなく、優しいものだった。
「…好きな所に座っていいって言ったけど、そんな所に座るとは思ってもみなかった」
肩を震わせて笑う顔が、今まで見た事もなくて思わず頬が熱くなる。
「す…すみません」
「…いいよ。そこに座って。適当にアイスコーヒー入れたんだけど、苦手?」