「…はぁ……はぁ…んはぁ…」



相変わらず、強い力で腕を掴まれたままで離してくれる気配はない。

掴まれた手と、掴まれてない手の色が違う…。



血が通ってないみたいに白くなっている上、指先はビリビリと痺れる。


掴まれた部分が、ドクドクと脈打って貧血が起きている。

もともと、血が足りてないせいで酷くなってる気がする。


暗いモヤなようなものが目の前に現れて、倒れそうになったトタン…グイッて引っ張られたように思った…。



「…せん、パイ…?」



まだ視界がボケている目で、先輩がいるであろう方を見上げた瞬間…息が出来なくなった。


「…んぅ!?」



柔らかいものが唇に当たっていた。


しかも、それだけじゃなくて口の中にヌルリと何かが入ってきて、息が出来なくて暴れる。