次の日。学校を休んで、私は、兄さんに言われた通りに国際ターミナルホテルに行こうとアパートを出る。
月3万円の家賃はちょっと苦しいけど、私には大事な家に鍵をかけて、出発しようとした。
…でも、鍵をかけて振り返った瞬間、私はビックリして体を硬直させた。
「……先輩…!」
廊下の突き当たりに、先輩が制服姿で立っていた。
私は何でここに、先輩がいるのかが理解出来ないで立ちすくんじゃった。
「…ど、どうして…ここが分かったんですか…?」
「あの男、誰?」
は? 質問、私がしてるのよね…。
何で、質問されてるの?
「あの、先輩? …学校は…? もう、授業が始まってますよ…」
冷たい先輩の視線に、私は耐えられなくなって顔を下に下ろした。怖い。