私なんて、いてもいなくてもいい存在だもの。
「…里莉?」
「は、はい! …ぁ……。5時、ですね…」
どこか上の空になりつつになりながらも、頷きながら返事をした私は、これからの自分の暗い人生が待ち構えている。
…誰にも望まれていない私だけど、せめて誰にも迷惑をかける事なく生きて行きたかった。
それすらも、私には許されない。
いつか誰かが私を救い出してくれる…、そんな夢物語のような事を幼い頃、本気で信じていた。
でも、実際は誰にも相手なんてされなかったし、誰もそれを望んでない。
私は人形じゃない。
…でも、人に意見するほど強い立場でもなくて…。
ただ、言われるがまま動いているだけだけど…。
だから先輩も私に近付いたのかもしれない。
そう、賭けの対象として、ね…。