学校に行きたかったんだ…。


顔を見るのは私ばっかりだしね…。


そう…。誰も私を見ても楽しまない。






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いつか、こうなる事を分かっていた。


広いリビングは、落ち着かなくて、周りをキョロキョロと見てしまう。



「…里莉。今週末は空けておけ。お前に会わせたいヤツがいる」


「………会わせたい、人?」


兄さんの言いたい事がよく分からなくて、首を傾げると…バサッ…って乱暴に、写真を私の目の前のローテーブルに置いた。



写真に写っていたのは…香輝の担当の新堂先生だった。



「……兄さん?」


「知っているだろう。香輝の主治医だ」



コクンと頷くと、兄さんは、タバコを咥えて火を点ける。


そして、私の顔をジッと見ていたかと思うと、口を開いて信じられない事を言った。




「…お前の誕生日に婚姻届を出す」