「…なにに耐えられないわけ?」



真っ直ぐあたしの目を見てそう問い掛けてきたソウタの瞳。出会った時と変わらない。なにもかも受け入れてくれるような気がしてたんだ。


あたしはそんな所に惹かれてたのかもしれない。




「…ソウタが彼女が出来て、大人になって結婚して、子供が出来て。そういうのをあたしは祝福していかなきゃいけない。耐えられない気がするの」


考えるだけで涙が出て来る。
祝福もできないような、そんな悲しい人に、姉になりたくない。



「……時間が経てば俺への気持ちなんて無くなる。そんなに先までこの気持ちは続かねぇよ」



「……は?」



落ち着いたソウタの言葉に少しの怒りを覚えた。時間が解決することぐらい知ってる。そう思い続けても消えなかったのはこの気持ちじゃんか。



その気持ちをそんなに軽く扱うの?



「だから大丈夫。…忘れろよ」