「…ちょっとだけ、抱き締めていいか?」 「やだ」 そう言って笑うと、真正面から川杉があたしの隣に移動してきた。 「ごめんな」 そう言いながらあたしの肩ごと引き寄せる。 温かい温もり。 不思議と嫌じゃなかった。 むしろ安心感さえ覚えてしまうような感覚。