ソウタが今、あたしの事どんだけ嫌いでもやっぱり好きなんだ。離れたくないんだ。姉弟なんて嫌なんだよ。




「……着いたんだけど」




呆れ返ったような声が落ちてくる。
家の車庫でバイクに跨ったまま、ずっとソウタの腰に抱き付いてるあたし。



「……ごめ、今降りる」


「やっぱ良い、降ろすからそこ座っておけよ。酔っ払いが高いヒール履いて転んだらめんどくせぇんだよ」



ソウタが喋る度に胸がズキズキする。
切ない気持ちが込み上がってしょうがない。



言われた通り座ってると、前に座ってたソウタがバイクから降りて次にあたしを降ろそうとする。



抱き上げるみたいな感覚。
心臓が痛いくらいに高鳴ってる。